プログラミング教室に子どもを通わせるメリット・デメリットを徹底分析!

2020年度より小学校の学習指導要領が改定され、小学校からプログラミング教育が必修化されます。子どもたちの将来に必要なICTInformation and Communication Technology(情報通信技術)」を活用したコミュニケーション能力を育むことが急務と考えられているからです。

先行して2012年より中学校でもプログラミング教育は取り入れられています。しかし、独立した科目としてではなく、技術・家庭科の授業内で「プログラミングによる計測・制御」という形です。中学校の学習指導要領が改定される2021年度からは、さらに高度なプログラミング教育が必修化される予定です。

小学校での必修化は技術・家庭科に限定されておらず、既存の教科の中でプログラミングを活用することになります。たとえば、算数では多角形の単元、理科では電気回路の単元で、総合的な学習では自動販売機などの生活に欠かせない機械を動かすプログラミングを作成し、日常生活とプログラミングとの関わりを学ぶ、音楽ならリズムのパターンを組み合わせて作曲するといった内容です。

取り入れる教科、時間数などはすべてその学校の裁量に任されていますので、教育内容は学校によって異なりますが、算数や理科、総合的な学習で取り入れられることが多いと予想されています。

学校でプログラミング教育に時間をかけて取り組むことは難しいかもしれませんが、その基礎を学んだうえで、既存の教科に取り入れられることが理想と考えられています。しかし、プログラミングの知識が十分といえる教師は多くないのが実情です。

プログラミング教育の本質は、論理的思考を養うことにあります。この本質を理解したうえで本格的にプログラミングを学ばせようとすると、習い事としてこれを補う必要があります。しかし、教科として独立していないため、学習塾とは異なり、直接成績には反映されない水泳、ピアノなどと同じ感覚での習い事になるでしょう。

しかし、プログラミングは学校で必修化されるだけあって、子どもの将来にプラス、というよりも欠かせない学習のひとつと考えられており、習い事として学ぶメリットは大きいと考える保護者も多くいます。しかし、一方でデメリットも存在します。

ここでは、プログラミング教室に通わせるメリット、デメリットについて徹底分析したいと思います。

メリットその1 最大のメリットは論理的思考力が身に付くこと!

プログラムとは、コンピューターを動かすためのプログラム言語のことです。と言ってしまうと、プログラミング教室に通わせるということは、将来はIT関係の職業に就かなくては意味がないのでは、と思ってしまうかもしれません。さらに、プログラム言語はITの進化によって新しいものにとって代わられます。今使われているものを学んでも、将来使えないのでは? とお考えになられるでしょう。

しかし、それでも、子どもが今プログラミングを学ぶことには大きなメリットがあります。それはまず、プログラミングを学習することによって、論理的な思考力を身に付けられたり、世の中を便利にしているITのしくみについて理解することができるからです。

物事を整理し、順序立てて考え、合理的に処理する。こう書いてしまえば簡単ですが、実際にいつもそのように行動しろと命じられていきなりできるものではありません。そうした思考の癖をつけなくてはそのように行動するのは難しいことです。

プログラミングでは、入力したことに対して必ず一定の結果が現れます。たとえば、ロボットは人間が入力したプログラミングどおりに動くわけで、逆にプログラミング以外の動きはしません。ある結果を得るために、どのようにするのがいいかを考えるのがプログラミングであり、それを繰り返すことで整理する、順序立てて考える、合理的に処理する、といった論理的思考力が自然とついていくわけです。

論理的思考力はさまざまなシーンで欠かせない能力です。誰かに何かを説明するときの「プレゼン力」にも関わります。また、どんな仕事であっても、効率的にこなすには結果をゴールとし、そこまでにどのような段取りで進めるのがベストかを考えられる能力が欠かせません。

論理的思考力を身に付けることによって、どんな行動にしてもパフォーマンスがアップします。効率の良い仕事の段取りを考えられ、それを上手に他人に説明できるなら、リーダーシップを発揮できますし、コミュニケーション能力も高いと評価されるでしょう。

そして、IT化によって世界中の人が遠く離れていながら一緒に仕事ができるようになり、それによって今までにない成果が生み出されてきています。どの職業においても、誰に対してもわかりやすく、納得できるように論理的に仕事を進められることは強力な武器になるのです。

メリットその2 自己実現能力・想像力を向上させられる

生まれたときにはすでにスマホがあり、赤ちゃんのころから動画を自分で検索している今の子どもたちは「ネオ・デジタルネイティブ世代」とよばれています。ITが身の回りに当たり前のものとしてある世代の中には、幼くしてITを駆使して自分の才能を発揮し始めている子もいます。

「動画ばかり観て困る……」という親御さんがいるかと思いますが、子どもは自分で作り出すこと、創造したいという願望をもっているものです。「ユーチューバーになりたい」というのも、「こんな面白い動画を自分で作れたらいいな」という気持ちの表れですから、そこに創造の種は確かにあるのです。自分で作れるということを子どもにわかってもらう必要があり、プログラミング教室はそのきっかけになり得ると考えられます。プログラミング教室で学ぶことによって、テクノロジーを駆使して自分で何かを生み出す創造力が向上し、自己実現能力もアップします。目の前にあるテクノロジーで自分ならどんなものを作り出すか、そういう発想をする子どもたちがこれから増えていくはずです。

メリットその3 子どものうちに確実に身に付けておきたい計画力忍耐力

プログラミング学習では結果を得るまでの過程、手順や規則に添うことが大切です。時には思ったような結果をスムーズに得られないこともあります。慣れないうちはごく単純なプログラミングでもかなり時間がかかってしまうことも。少しでも早く結果を得るためにはしっかりとした計画を立てる必要があります。これによって計画力が身に付きます。

そして、どうしてうまくいかないのか、どこにエラーがあるのか、根気強く探る必要があり、その中で自然と忍耐力が身に付きます。子どもたちが興味をもちやすい内容なので、そうした忍耐も苦ではなく、できたときの喜びによってそれもプラスにとらえられるようになります。

メリットその4 成功体験を積み上げて子どもの潜在能力を覚醒!

プログラミングでは答えはひとつではなく、子どもたちはさまざまな形で自分の発想を形にできます。プログラミング教室では子どもたちのそうした発想を後押しし、認めて褒めることが大切にされています。

そのため、多くの場合「できた!」という達成感=成功体験を得られます。その積み上がりが大きな自信となり、プログラミング以外でも積極的に能力を発揮できるようになります。

メリットその5 英語アレルギーを払拭できるかも!?

英語と聞くと、とかくアレルギー反応を示しがちですが、子どものころからプログラミング言語に触れておくことで、少しアレルギーを緩和できるかもしれません。本格的なプログラミング言語には英語が使われています。そのため、必然的に英単語・英文法に触れることになります。

また、プログラミングに興味をもつと自然と海外のコンテンツにも目がいくようにもなります。

せっかくの新しい教育方針を学校だけに任せるのはもったいない

2020年度からの新学習指導要領により、プログラミング教育が小学校でも一斉に導入されます。しかし、プログラミング教育を学校だけに任せておいてよいのでしょうか。

まず学校の現場では戸惑いの声が上がっており、学校の裁量に任される面が大きいからこそどのように進めていいのかわからない、とおっしゃる先生もいらっしゃいます。子どもが興味をもち、より深く学びたいと思っても、それに対応できる学校は多くはないかもしれません。一方で家庭でも、プログラミングの知識がある保護者は多くないのが現状です。

そうした意味でも、プログラミング教室を上手に活用できるとよいのではないでしょうか。

手放しに歓迎できないデメリットも紹介します

かといって、プログラミング教室はどの子どもにとっても良いものなのか。そうとは言いきれません。

まず、すべての子どもがプログラミングに興味をもち、熱中するかどうかはわかりません。教室の特徴もさまざまなので、無料体験などを経て子どもの興味・関心を確認すべきでしょう。親の希望で無理強いすると、学校でのプログラミング学習に苦手意識をもつことにもなりかねません。

逆に夢中になりすぎ、長時間パソコン画面を見ていると、眼精疲労による視力への影響や、運動不足による体力低下も懸念されます。パソコンの画面から発せられるブルーライトによる、視力の低下睡眠障害の心配もあります。ちなみに近視の予防には、外遊びをしてバイオレットライトを浴びることが効果的という研究結果もあります。

また、教室の場所によっては、親にとって送迎が大きな負担になることもあるでしょう。

デメリットその1 必ずしも子どもが興味をもつわけではない

物珍しさもあり、初めは多くの子どもが一生懸命取り組みます。しかし、慣れてしまうと飽きてしまうケースもあります。たとえば、マインクラフトはプログラミングの教材にも使われ、人気のゲームでもありますので、多くの子どもが熱中します。しかし、それが別の過程、たとえばScratchというプログラムシステムに移行するとモチベーションが下がってしまうということもあるようです。入会する前に、無料体験で子どもの好みを確認しておき、そうしたリスクを避けるのがいいでしょう。

デメリットその2 学校の成績にただちにつながるわけではない

プログラミングは当面、教科として独立しません。そのため、すぐに成績に反映されることはありません。中学入試にプログラミングを取り入れる学校も出てきてはいますが、そうした具体的な目的のためというより、考える力を身に付けるため、そう認識することが大切です。

デメリットその3 パソコンの利用時間が長くなる

プログラミング学習に子どもが熱中すればするほど、パソコンの利用時間が長くなり、以下のようなデメリットが生じます。

  • フィジカル面の懸念(視力や姿勢の悪化)
  • 外遊び時間の減少によるマイナス面(運動不足による体力の低下、実体験を積む機会の減少)
  • 基礎学力の低下(プログラミングに夢中になり、多くの時間を費やすことで、通常教科の勉強時間が減少)

以上のようなデメリットの対策として、さらに自己管理やITリテラシーを身に付けるためにも、特に幼いうちはパソコンの利用時間をセーブすることが大切です。親子で話し合って、いつ、どれくらいの時間学習を行うのかを決めましょう。利用時間を設定する機能があればそれを使うのもおすすめです。

デメリットその4 インターネットの危険性にさらされる

インターネットは便利な反面、危険もあります。インターネットで検索する時間も増え、簡単に有害サイトにアクセスできてしまいます。不用意にクリックすればパソコンをウィルス感染させてしまうこともあり得ます。

インターネットの利用には、フィルタリング機能を活用しながらも、親子でルール作りをすることが必要です。ウィルス対策ソフトを利用するのも忘れないでおきましょう。

デメリットその5 親の負担が増加する

プログラミング教室は、一般に他の習い事と比較して高額と言われています。相場としては月2回の授業で月謝は12,000円~18,000円ほど。それに加えて入会金、教材費などがかかり、10万円近いケースもあります。さらに、自宅で学習したい場合、パソコンやタブレットの代金もかかります。

さらに、金銭的な負担だけではなく、都心以外では近くに教室がないことも考えられるので、送迎の負担も考慮する必要があります。

時間や金銭、送迎の問題をクリアできるか。無料体験も利用して確認しておくべきでしょう。

まとめ

プログラミング教室に通うことによって成績にすぐに反映されなくても、論理的思考力や創造力を育成することで、子どもの将来の可能性が広がります

昨今、私学では科目として独立しているケースもあり、大学入試改革では論理的思考力の重視が言われており、入試にプログラミングが導入される計画もある。したがって今後は、プログラミングが進学に直結する可能性もおおいにある。

デメリットの多くは情報を十分に確認することで、対策するできます。体験会も多く実施されていますので、親子で納得するまで検討されることをおすすめします。