2020年度から公立小学校でも必修化されるプログラミング教育。すべての子どもたちに必要な教育との考えから必修化されるわけです。
必修化されると聞いて、プログラミングが成績のつく教科のひとつとなると誤解している方もいるようですが、教科として独立した形で導入されるわけではありません。既存の教科の中でプログラミング教育が導入される形になり、その教科や取り入れ方、さらに実施学年については、学校ごとの裁量に任されています。しかし、プログラミング教育に関する十分な知識のある教師は不足していると言われており、スムーズな導入や学校、あるいは学級間の格差が懸念されています。
教育改革、ならびにそれにともなう大学入試改革では、暗記力ではなく思考力、想像力、創造力、論理的思考力が重視される方針にある中、、既存の学習では対応できなくなる現実があり、それを解決するひとつの要素としてプログラミング教育が注目されています。これからの時代を生きる力を養うために、プログラミング教育は子どもの将来の鍵を握っていると考えられているのです。
このような状況のもと、保護者の意識にも変化があり、プログラミング教室の需要は高まってきて、次々と新しい教室が立ち上げられています。ほんの2、3年前にはプログラミング教室の選択肢は限られていましたが、現在、特に大都市圏では、どの教室にしようかと迷うほどになってきています。
しかし、選択肢が多ければ多いで、教室選びに悩む保護者も多いのではないでしょうか。プログラミング教室とひとくちに言っても、カリキュラムも費用もさまざまです。同じ教材を使っていたとしても、グループなのか個別なのか、難易度はどうか、ゴールは何なのかなど、教室により異なります。子どもによって向き不向きがありますし、月謝は1万円~1万5千円程度と習い事の中では比較的高額なため、慎重に選択したいものです。
ここで上手に活用したいのが体験教室です。多くの教室は無料、もしくは数千円で体験教室を行っています。ホームページの内容、パンフレットだけでは、教室の雰囲気、先生の人柄、声かけの方法などはわかりませんので、体験教室を受けてみるのがおすすめです。
最近では低年齢からプログラミング教育と受けさせたいと考える保護者も増えており、未就学児を対象としている教室も増え、一方でより高度な内容に対応した中学生向けコース設定がある教室も増えてきています。
費用が気になるのであれば通信講座という選択肢もあります。ある程度は親が関与する必要がありますが、比較的手ごろな料金設定になっており、時間、場所を選ばずに学習できるという大きなメリットがあります。
目次
プログラミング教室に通わせるにはこれぐらいの費用がかかる
プログラミング教室の費用はまず月謝、入会金がほとんどのケースで必要です。さらに、ブロックなどの教材を使用する場合、教材費、場合によってはテキスト代が必要になります。教材費は3万円~4万円かかることが多いので、初期投資についても考慮しておきましょう。
代表的なプログラミング教室の費用感
ヒューマンアカデミーロボット教室
- 入会金:10,800円
- ロボット教材費:30,780円
- 月謝:9,720円+テキスト代540円
アーテック自考力キッズ
- 入会金:10,000円
- ロボット教材費:40,000円
- 月謝:12,000円程度
※教室によって金額が異なります
IT KiDS子どもプログラミング教室
- 月謝:12,000円
ここであげた費用は月2回のものなので、1回分に換算すると授業料だけで5,000円以上、このほかに教材費などが必要になります。これがプログラミング教室の相場感です。
一般的な習い事の費用感(いずれもおおよその相場)
一般的な学習塾
- 月謝:18,000円(おおよその相場。週2回の集団塾)
- 入会金:10,000円~20,000円+教材費
水泳
- 月謝:7,000円(週1回)
- 入会金:10,000円
サッカー、野球
- 月謝:2,000円~7,000円(週1回)
- その他の費用:道具代、ユニフォーム代、合宿代など
こうして比較してみると、プログラミング教室の費用は高額な部類に入るようです。
プログラミング教室の無料体験はどんな内容?
それでは、5つのプログラミング教室の無料体験教室の内容をご紹介します。
ヒューマンアカデミーロボット教室
教室概要
ヒューマンアカデミーロボット教室は国内NO.1シェアを誇り、教室は全国に1,400以上あります。そのため、地域を問わず通いやすくなっています。ヒューマンアカデミーが直営しているだけではなく、学習塾がフランチャイズ契約を結び、運営、指導を行っているケースも多くあります。
体験教室内容
体験の際も実際の教室と同じく90分の授業です。ロボット開発の第一人者、高橋智隆先生が監修したブロックを使用し、ロボットを仕様書に沿って組み立てます。ヒューマンアカデミーロボット教室では図を見てブロックを手元に揃え、図のとおり組み立てるという作業を重視しています。
じっくりと時間を使ってまずはロボットを組み立て、その仕組みを学びます。ロボットには動力が付いていて座学の後に動かすのですが、体験ではキーボードでのプログラミング言語の入力は行いません。しかし、たっぷり90分実際の授業を体験できるので、入会後の授業のようすを体感することができるはずです。
アーテック自考力キッズ
教室概要
学校教材の製作も行っているアーテックのロボット教室で、対象年齢は年長~小学3年生くらいまで。低年齢専用の教室です。
カリキュラムは「パズル」「ロボット」「プログラミング」の3つに分かれています。はじめに、算数ブロックを使って図形パズルやゲームをし、その後、ブロックでロボットを組み立て、自動車などをパソコンとつなげプログラミングを入力し、これらを動かすまでを行います。
体験教室内容
体験時間は実際の授業と同じ1時間です。アーテックのブロックは小さな子どもの手でも扱いやすいため、ブロックが得意な子どもならサクサクできるでしょう。それだけに、小学生以上で普段から細かいブロックで遊んでいる子どもでは、少し物足りなさを感じてしまうかもしれません。
1時間の間に3つのカリキュラムをこなすため、若干一つ一つが早足に。しかし、低年齢でもパソコンの操作、プログラミングを体感できるカリキュラムは貴重です。
アーテックエジソンアカデミー ロボットプログラミング教室
教室概要
2015年にできた大手の中では比較的新しいロボット教室です。しかし、現在900校以上開校しており、人気のほどがうかがえます。
自考力キッズが5~8歳対象なのに対し、こちらは8歳からが対象。3年間のカリキュラムになっていますが、1年目から信号機や自動制御アームロボットなど本格的なプログラミングを行います。
体験教室内容
体験教室の料金は教室によって異なり、無料の場合も多いのですが、1,000円程度の体験料が必要な場合もあります。アーテックの教室はフランチャイズのため、体験料だけではなく、月謝や教材代金も教室によって異なるので、各教室に確認が必要です。なお、体験時間は60分もしくは90分です。
体験会の内容は、体験用のアーテックのブロックを使い、まずはロボットを組み立て、ロボットをパソコンにつなぎ、動作のプログラミングを行っていきます。
IT KiDS子どもプログラミング教室
教室概要
IT KiDS子どもプログラミング教室は、吉祥寺教室、武蔵野緑町教室、調布駅前教室の3か所です。小学1年生~6年生が対象。子どもの興味・関心を引き出し、成長につなげることを大切にしています。子どもが楽しく夢中に打ち込めるような環境作りをしており、先生ともニックネームで呼び合って学ぶ教室となっています。
体験教室内容
30分間の無料体験教室は各教室で行っています。実際の授業は90分で少人数制。体験は実際の授業とは異なり、先生と1対1で行うため、教室の雰囲気を体感するというよりも、授業内容を経験することが目的となります。
体験教室での教材は、小学生向けプログラミング教室ではもっとも多く利用されているScrachという、教育用プログラミング環境を使います。具体的には、動物の画像をプログラミングによって動きをつけます。パソコン、マウス初体験でも、丁寧に教えてもらえるため心配はいりません。ロボットプログラミングも、少し体験させてもらえることもあるようなので、興味のある方は相談してみてはいかがでしょうか。
LITALICOワンダー
教室概要
LITALICOワンダーは東京に12教室、神奈川に4教室展開する、2014年4月開校のプログラミング教室です。対象年齢、内容に分かれて以下の4つのコースがあります。
- 「ゲーム&アプリプログラミングコース」(対象年齢:小学1年生~高校生):パソコン、スマートフォンなどで遊べるゲームをつくり、プログラミングを学ぶコース。
- 「ロボットクリエイトコース」(対象年齢:年長~小学3年生):レゴの教材を使い、ブロックのロボットを組み立てて、プログラミングで動かす。
- 「ロボットテクニカルコース」(対象年齢:小学3年生~高校生):ミッションを与えられ、モーターやセンサーの仕組みを学びながらプログラミングでロボット制御を学ぶ。
- 「デジタルファブリケーションコース」(対象年齢:小学1年生~高校生):3Dプリンターやレーザーカッターなどのデジタル工作でものづくりを行うコース。
体験教室内容
体験教室は60分間で無料です。LITALICOワンダーの体験教室は、通常授業に参加する形で、普段の授業の雰囲気がわかるようになっています。
体験内容はコースにより異なるのですが、ゲーム作りや、レゴの教材でロボットを組み立て、プログラミングで動かすといったものです。コースごとに体験できるため、我が子はどのコースに向いているのかが、わかりやすいのも大きなメリットです。
プログラミング教室を自宅で受講できるオンライン講座もある
ここ数年間で人気が高まり、教室が増えましたが、地域によっては自宅の近くには我が子に合った教室がない場合もあるでしょう。また、通学でのプログラミング教室は初期費用も月謝もほかの習い事と比較すると、割高でコスト面も気になるところ。また、ほかの習い事とスケジュールがかぶってしまうこともあるでしょう。
そうした場合におすすめなのが以下のように、自宅でプログラミングを学べる通信講座です。
Z会プログラミング講座 with LEGO® Education
クオリティの高い通信教育サービスで知られているZ会の講座です。
使用している教材はレゴ。入会するとレゴと、子ども用のワークブックとそれに対応した保護者用ガイトが届きます。通常、子どもの通信講座では、保護者がある程度、学習に関わる必要があります。はじめてプログラミングに触れる子どもの場合は、不可欠になるでしょう。不安に感じる保護者もいらっしゃるでしょうが、テーマの狙いやアドバイスのポイントなど、サポート方法が詳しく紹介されているので、プログラミング初心者でも親子で学ぶ気持ちで取り組めば、それほど心配はいらないでしょう。また、子どもは一度プログラミングに没頭すると大人よりも理解が早いため、だんだんと大人のサポートは必要なくなります。
オンライン講座の大きなメリットはなんといってもコストでしょう。教材は26,136円(初回のみ)、受講料は毎月払いですと5,000円、12か月一括払いの場合は50,998円(1か月あたり4,250円)です。教室に通う場合と比較すると、おおむね半額以下です。
無料資料請求が可能で、詳しい内容を確認できます。また、体験会も行われています。
D-SCHOOLオンライン
英語とプログラミングを学ぶオンライン学習です。スクールを運営する企業が開発しているため、実際の子どもたちの反応を踏まえた内容になっています。解説動画が付いていますので、少し難しい内容も理解しやすいでしょう。
コースは5つあり、人気のゲーム「マインクラフト」を使ってプログラミングを学ぶ「マイクラッチJrコース」「マイクラッチコース」、英語とプログラミング学習を組み合わせた「英語 & プログラミングコース」、アーテックのロボットでプログラミングを学ぶ「ロボットプログラミングコース」、簡単なゲームを制作してプログラミングの基礎を学ぶ「ゲーム制作コース」です。
「マイクラッチJrコース」「マイクラッチコース」は、月額3,980円、年払いで32,835円(1か月2,980円)、「ロボットプログラミングコース」は、ロボットキット込みで月額4,980円。特にマインクラフトのコースはお手頃です。
「マイクラッチJrコース」「マイクラッチコース」「英語&プログラミングコース」は、14日間無料トライアルが用意されており、初回カリキュラムを試せます。
まとめ
通学するプログラミング教室の費用は、ほとんどの教室が少人数制か場合によってはマンツーマンできめ細やかなに指導をするという事情から、実際のところ高額になるケースが多くなっています。
子どもに合った効果が実感できる教室を選ぶために、複数の無料体験を利用して実際の子どもの反応を見て、「これならば!」という教室に巡り合いたいものです。また、習い事はプログラミングだけではありません。費用の割り振りやスケジュールを考えて、通学が厳しい場合はオンライン講座を検討してみるのもよいでしょう。
【プログラミング教室 通わせるのは何歳ぐらいからがいいの?】
【こどもをプログラミング教室に通わせるメリットとデメリットを解説】
【大都市でなくともプラグラミング教室に通わせられる!】
【通わせたいプログラミング教室はここ! 口コミで生の声を調査】
【ほかの習い事との比較でプログラミング教育の有効性を検証】
【プログラミング教室の基本からおすすめ教室までを徹底網羅!】