2020年度から小中学校で必修化されるプログラミング教育。これは、あくまでも「論理的思考力を養うこと」がねらいです。論理的思考力を養うことに限って言えば、この準備は、幼児期から始めることができます。プログラミングを習う方法は教室以外に通信講座もあり、ほかの習い事などとの両立を目指すことも可能です。
とはいえ、実際にはいつから始めればよいのか? ということが気になるのではないでしょうか。そこで、ここではこれからますます盛んになるであろう、プログラミング教育を“いつ”から始めるのがベストかをさまざまな角度から検証していきます。
【論理的思考を養うことの詳細は以下のリンクでも紹介しています】
プログラミング教室に子どもを通わせたい! おすすめはやはり人気ランキング上位のプログラミング教室!!目次
お子さんの年齢によって最適なプログラミング教育は変わる
プログラミング教育は論理的思考力を養うことを目的としていますので、実際のところ、未就学の幼児から始めても早すぎるということはありません。
ただし、どのようなプログラミング教育が適しているかは、お子さんの年齢によって異なります。ここでは、次のように子どもの年齢を分類して、それぞれの年代に応じたプログラミング教育について紹介していきます。よって、大前提として子どもを以下の4つに分類します。
- 3~5歳の未就学児……幼児
- 小学1年、小学2年、小学3年……小学校低学年
- 小学4年、小学5年、小学6年……小学校高学年
- 中学1年、中学2年、中学3年……中学生
幼児のうちからプログラミング的思考力を養う
読み書きを習得できていない幼児がプログラミングを習うにあたっては、大人と同じテキスト言語を使う方法は有効ではありません。幼児にはタイピングのスキルを必要としないビジュアル言語(命令が書かれたブロックを組み合わせるもの)を使う方法が一般的です。
論理的な思考を養うことを目的としていますので、自分で学ぶ姿勢を身に付け、自分で考えて行動する能力を育む「知育」として、プログラミング教育の機会を与えるという捉え方がベストです。
ここからそうした環境を整えているプログラミング教室の一例を紹介します。
アーテック自考力キッズ
「パズル×ロボット×プログラミング」の3つを学ぶことができる「アーテック自考力キッズ」。推奨年齢は年長(5歳)以上で、先述の3種類のカリキュラムに2年間、毎月取り組みます。
毎回、最初にテーマとポイントを講師が説明します。パズルはテキストを見ながら、それぞれのペースで組み立てていきます。ロボットとプログラミングの授業では、テキストに沿って課題に取り組みます。そしてカリキュラムの最後に、自分でつくったオリジナルのロボットやプログラムを発表する機会もあるので、幼児のうちからプレゼンテーションに慣れることもできる、という授業内容になっています。
ヒューマンアカデミーロボット教室
5歳から高校生まで幅広い年齢層をターゲットにしているのが「ヒューマンアカデミー ロボット教室」。プライマリーコース(1年間)、ベーシックコース(1年6か月間)、ミドルコース(1年6か月間)、アドバンスコース(2年間)と4つのコースが準備されているので、興味が続く限り通わせられるのがポイントです。
授業は各90分×月2回でその月で1つのテーマが完結するようになっています。初回の90分で動くロボットを完成させ、さらに2回目の90分でオリジナルロボットを動かすべく、試行錯誤を繰り返すという流れです。
プライマリーコースでは、テキストに掲載されているロボットやパーツの写真は原寸大になっているので、幼児にもわかりやすくなっているのが特徴。直感的に製作を進めることができ、パーツの名前を覚えたり、必要な数を数えたりすることが、知育につながります。
レゴスクール
「レゴ®スクール」のコンセプトは、“Playful Learning = 遊びながら学ぶ“と、“Learning by making = 作ることで学ぶ“。自分の手を使って夢中で何かを作り上げる過程で体験する「おもしろい!」という気持ちが自発的な学びを生み出します。
3歳を対象とする「エクスプローラー」は数・色・コミュニケーションを学びます。4歳を対象とする「クリエイター」は創造・観察・比較、そして5歳を対象とする「インベンター」は数学・構造・発明を学ぶカリキュラムとなっています。
8~10歳を対象にロボットプログラミングを学ぶ「ワールド・ロボティクス」まで、さらに4つのカリキュラムがあります。いずれもレゴ®ブロックを使った親しみやすいものになっています。
ルビィのぼうけん
『ルビィのぼうけん』は、教育大国フィンランド発の、親子でテクノロジーを楽しむ知育絵本です。
原題は『Hello Ruby』。好奇心旺盛な女の子ルビィが、宝石集めを通してプログラミングに必要な考え方に触れることから始まるストーリーです。作者はリンダ・リウカス。ヘルシンキ出身のプログラマーで、作家・イラストレーターでもあります。若い女性にプログラミングの基礎を教える団体Rails Girls の創立者です。
『ルビィのぼうけん』は5歳くらいから読むことができ、さらに大人も楽しめる内容となっています。
幼児のプログラミング教育のまとめ
幼児のプログラミング教室は、知育の要素が色濃くなっています。実際にプログミングを行うというよりも、遊び感覚で手を動かして何かをつくる中でさまざまなことを吸収するというプロセスを重視しています。
おもに5歳くらいから教室に入ることができますが、絵本やブロック、パズルなどの遊びを主体とするものを使った知育であれば、3歳からでも始められます。
小学生の半数以上はプログラミングに興味あり!
小学校の学習指導要領の改定により、プログラミング教育が2020年度から必修化されるとあって、小学生向けのプログラミング教育への関心が高まっています。
情報モラル教育やプログラミング教育の支援を行う「教育ネット」は、2018年に小学生を対象にしたプログラミングについての意識調査を実施。その結果、全学年で「楽しそう」という前向きな回答が50%を超えました。また、6年生では49%がプログラミングを経験したことがあると回答しています。
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一方で、「イー・ラーニング研究所」が全国の20代から50代の子どもがいる親を対象に実施した習い事のアンケート調査結果では、「2018年に話題になった習い事」と「2019年にさせたい習い事」の1位は、ともに「プログラミング教室」となりました。
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プログラミングは、お子さん本人の興味・関心と保護者の期待・希望がマッチする数少ない習い事のひとつといえるでしょう。小学生を対象とした代表的なプログラミング教室には、次のようなものがあります。
ヒューマンアカデミー こどもプログラミング教室
ロボット教室や理科実験教室を開講してきたヒューマン・アカデミーが手がける「ヒューマンアカデミー こどもプログラミング教室」では、謎解きをしながら楽しく学べるオリジナル教材を使用します。
1年ごとに更新するベーシックコース、ミドルコース、アドバンスコースの3コースがあり、推奨される受講対象は小学3年生以上。月2回90分の授業を実施します。
「考える力」を育むための仕掛けがたくさん詰まった教材を監修しているのは、フィンランドの知育絵本『ルビィのぼうけん』を日本語に翻訳したプログラマーの鳥井雪さん。このほか、パソコンの操作に慣れることから始まるので、パソコンに馴染みのないお子さんでも無理なく参加できるようになっています。
ヒューマンアカデミー ロボット教室
「ヒューマンアカデミー ロボット教室」では、幼児が取り組むプライマリーコースに続く小学生向けのコースが3つ用意されています。
選択式や穴埋め式の設問に取り組みながらさまざまなバリエーションのロボットを製作するベーシックコース、記述式の設問が増え論理的な説明が必要とされるミドルコース、図面を見ながらロボット製作に取り組み、グループで目標達成するアドバンスコース。このような段階を踏むことによって、自律的なロボットを作り上げます。
さらに、アドバンスコースの修了生(または中学生)は、「ロボット工学+プログラミング」を学べる、ロボティクスプロフェッサーコースも受講可能です。
毎年夏に開催される全国大会では、予選を勝ち抜いた生徒が集まり、日頃の成果を発表し合います。
Artec エジソンアカデミー
「アーテックエジソンアカデミー」は、ブロックを使ったロボットの組み立てと、それを動かすプログラミングを両立する教室です。全40カリキュラムで、毎月1体のロボットをつくります。
推奨される対象年齢は小学3年(8歳)から。生活ロボットや動物型ロボット、対戦型ゲームなど、バリエーション豊富です。ロボットがどんどん増えてしまうと収納スペースや費用の観点から少し心配になりますが、ひとつのキットを組み替えるようになっているので、ロボットキットの代金が発生するのは初回のみ。
3年目以降は、より高度なロボット製作にチャレンジする「エキスパート編」も用意されています。STEAM人材(※)を育てるのに重要なロボット工学の3要素(センシング、ソフトウェア、メカニクス)を学ぶことができる応用編です。
※STEAM/STEM人材……Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)およびArt(芸術)の分野に長けた人材。
そして、教室で学んだロボット教材を使ったロボットコンテスト(小・中学生のための国際ロボット競技会)に参加することもできます。
Z会プログラミング講座 with LEGO® Education
「Z会プログラミング講座 with LEGO® Education」は、プログラミングを学ぶ通信教育講座。年齢に沿った2段階の講座内容となっています。
1年間の基礎編は全12回で小学1~4年が対象、4年間の発展編は全24回で小学4年以上が対象です。基礎編では楽しんでロボットを動かすことを重視し、発展編ではオリジナリティのあるプログラミングにチャレンジします。発展編からの編入も可能です。
まずレゴ®ブロックを使ってロボットを組み立て、これをBluetoothでiPadとつなぎ、プログラムによってロボットを動かします。プログラムをつくるためにアプリを使用。最終的にはタイピングでのプログラミング言語の入力(コーディング)も行います。
CA Tech Kids
「CA Tech Kids」は、継続学習コース「Tech Kids School」、短期コース「Tech Kids CAMP」の2つのプログラミング教室を展開しています。また、同社が監修するオンライン教材「QUREO(キュレオ)」(個人もしくは教室で学習)もあります。
「Tech Kids School(テックキッズスクール)」は、小学生のためのプログラミングスクールで、本格的に学びたい小学生に向いたコースです。最大3年間のカリキュラムで、授業は月3回(1年間で36コマ)。1年目のFirst Stageでプログラミングの基礎、2年目以降のSecond Stage(全72コマ)で本格的なプログラミング言語を学びます。
このほか、長期休業中などに実施されるプログラミング体験の短期コース「Tech Kids CAMP」と、オンライン学習コースの「QUREO(キュレオ)」があり、3つの中からお子さんに合ったスタイルを選ぶことができます。
QUREOは、オンラインで学べる新しいプログラミング学習サービスです。全300以上のレッスン(約2~3年)を通じてプログラミングの基礎をしっかり身に付けます。オンラインコースですが、教室での先生のサポートを受けて学ぶことも可能です。
小学生のプログラミング教育のまとめ
小学生向けのプログラミング教室は、通信教育もあり、月2~3回が中心なので、ほかの習い事との両立も十分可能でしょう。
小学生に適したプログラミング教育は、目安として、低学年まではブロックなどを組み立てるロボット製作、高学年からは(ロボット製作+)プログラミングを学べるようになってくるようです。お子さんの現在の興味やスキルに合う教室を選びましょう。
中学生からはプログラミングの本質に一気に迫る
プログラミング教育が横断的でさまざまな科目にかかわる小学生のときとは異なり、中学生では、プログラミングは「技術」の授業で扱われ、より専門性が高まります。
プログラムを通して問題解決を探ることがテーマとなり、デジタル作品を設計・制作。また、ネットワークを利用した双方向のコンテンツをプログラミングしたりと、解決方法を自分で考え出したりといった教育内容になります。
中学生に対応、または授業の対策などとしてプログラミング教室に通わせるのであれば、これまでよりも高度な授業内容の教室を選択する必要がありますので、ここではそうした教室にスポットをあてて紹介していきます。
Life is Tech !
中学生向けのプログラミング教室として外せないのが「Life is Tech !」。サービス自体は2010年から提供されています。プログラミングを始め、映像、音楽、デザインも学べ、これからのクリエイターを育てる教室といった内容になっています。
教室は東京(3か所)、横浜、名古屋、大阪にあるほか「Camp」という長期休暇内に合宿で学べるコースも用意されているのが特徴です。
LITALICOワンダー
「LITALICOワンダー」は、プログラミング・ロボット・3Dプリンターなど、テクノロジーを活用したものづくりの機会を提供する「IT×ものづくり」の教室です。
対象は年長(5歳)から高校生まで。特徴的なのは、3Dプリンタやレーザーカッターなどのデジタル工作機器を使ってものづくりをする「デジタルファブリケーションコース」です。
そのほか、「ゲーム&アプリ プログラミングコース」「ロボットクリエイトコース」「ロボットテクニカルコース」があります。教材にはテキストと動画があり、進め方は本人に合ったスタイルで。子ども4人に1人の割合と、スタッフの配置が充実している教室です。
TENTO
「TENTO」は、子ども向けプログラミング教室として2011年に設立されました。ひとつの教室で異学年・異スキルの子どもが一緒に学ぶ寺子屋方式です。授業形式か個別学習か、子どもが毎回自分で選びます。
講師はプログラミング教育に関する基礎知識とファシリテーションのスキルを有し、各クラスに1人以上はプロフェッショナルのプログラマーが常駐しています。
一般的なICTスキルも身に付けられること、タイピングを重視していて、ビジュアル言語からテキスト言語(一般的に用いられるプログラミング言語)へのスムーズな移行を促すことなどが、この教室の特徴です。
CoderDojo Japan
「CoderDojo(コーダー道場)」は、7~17歳を対象にしたプログラミング教室。「Dojo」が示すとおり、教室は「道場」という扱いとなり、そこは保護者やボランティア、パートナー企業などの協力のもとに独立して運営されている自律的なコミュティであることが特徴です。
CoderDojoについての情報はオープンソースになっていて、その情報を使って誰でも“道場”と呼ばれるグループをつくることができます。ただし、CoderDojo憲章に書かれた決まりごとを守らなければなりません。たとえば、参加費や場所代等を含め、参加者から費用を徴収しないこと、など。CoderDojo は2011年にアイルランドで始まり、現在までにつくられた道場は世界100か国に1,800か所、日本には183か所以上。学べる内容は道場ごとに異なります。
TechAcademyジュニア
「TechAcademyジュニア」は、おもに小・中学生を対象としたプログラミング教室です。プログラミングやアプリ開発を学べるオンラインスクールTechAcademy(テックアカデミー)が運営し、全国にフランチャイズ展開しています。
ウェブサービスやスマートフォンアプリをプログラミングするというコース内容となっていて、講師は現役のプログラマー。マンツーマンで課題のチェックや質問への対応などを行います。
最初は簡単にプログラミングができるScratch(スクラッチ)というツールを使ってゲームやアニメーションを作るので、初心者も安心です。学習が進むと本格的なプログラムにも挑戦。文字が苦手でも動画の説明を見て作業できます。
Code Camp KIDS
「Code Camp KIDS」は、初めてでも楽しく学べるビジュアルプログラミングから、本格的なゲームやWebサービス、アプリなどの開発まで学ぶことのできる、小学生・中学生のためのプログラミングスクールです。
小学3年~中学3年を対象に、基礎的な概念を習得後、シューティングゲームやアクションゲームなど本格的な開発を学ぶScratchプログラミングコースが実施されています。修了後は、ウェブサービスやアプリ開発を学ぶコースが順次開講予定です。
社会性を養うことにも力を入れており、学習仲間とのコミュニケーションを重視。プレゼンテーションスキルを学び、定期的に授業で学んだ成果を発表できる機会があります。
年令に応じたプログラミングスクールに通わせる目的を再確認
小学生・中学生向けのプログラミング教室では本格的なプログラミングを学ぶこともできます。ですが、この時期のプログラミング教育は、将来にわたって役立つ「論理的な思考」を養うことを目的にしたほうがよいでしょう。
基本的にはお子さんが興味をもちやすいようなシステムを取り入れているのがプログラミング教室。対象年齢もかなり広いので、始める年齢はご家庭の状況とお子さんの興味の度合いで決めれば問題ありません。ただし、無理に通わせることはおすすめしません。
教室数、授業内容などをトータルで考えると、小学校低学年から通わせてあげるのが一般的ということになります。
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